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活動報告

会派研修会(先達塾)に国立都城工業高専の川崎敬一先生を招き開催 (23/01/11)    2011/01/11

 都城高専の川崎先生とモンゴルの出会いは約20年ほど前に旧山田町でのモンゴル留学生との出会いであったそうです。
 当時のモンゴルは、人口二百二十万人、政治体系は旧ソビエト連邦の影響下にあり経済的には大変遅れた状況であったそうです。
 当時の電力事情は、特に地方の村では、ソ連製のディーゼルエンジン発電所が多くみられるが、機材が古くて、部品の供給ができないことや、燃料を購入することができない村もあります。もちろん、遊牧民は電力がなく、ローソクや、動物の脂で灯りを得ている遊牧民もいます。比較的裕福な遊牧民は、衛星放送やビデオなども、所有しています。
 また子供は、昼は遊牧の手伝いを行い、夜の自由時間には、灯りがないので、本も読めず、勉強ができないということでした。
 我々高専の技術者グループは、いろいろ悩んだあげく、風力発電機を制作することを決定し、モンゴル国の大草原の自然環境を守ることや、遊牧民が使用することを前提に、設計開発を行い、軽くて、分解組み立てが容易で、故障が少ないこと、将来蓄積した技術はモンゴル国のためにすべて供給することを目標にしされました。
 最初の1号機は自転車の発電機、2号機はオートバイの発電機、出力を大きくするために、 自動車の発電機を利用。しかし平成8~9年ごろ検討した結果は、風力発電機の性能は、出力でなく、いかに低い風速で発電できるかが大きく性能を左右させることである結論をえて、こうしたコンセプトの風力発電機にマッチした発電機の開発を行うことにする。平成11年に試作において、風速約1M/S発電する画期的な発電機を開発にいたつておられます。
 平成15年には、特許も取得され、性能も世界一番効率のいい風力発電機を日本国内で生産できるようになったそうです。
 またその技術をモンゴル技術大学を中心に、技術指導共同研究として、モンゴルに指導を進められておられます。
 風力発電機が結んだ国際交流
 この間、交流の進展は、平成5年には年 モンゴル国立科学技術大学と国立都城工業高等専門学校と学術交流協定を締結。以後、宮崎県の協力により、毎年モンゴル国立科学技術大学の教員を共同研究として受け入れることを決定し進められてきたが、平成20年を最後に、県の予算の関係と、農業県ということで、モンゴル国からの招へい予算が打ち切りとなったことは残念と話しておられました。
  都城市との交流
 こうした動きの中で、都城高専の地元都城市とモンゴルとの交流も進展し、平成11年には、都城市とウランバートル市が姉妹交流協定を締結。当時のウランバートル市長は、エンフボルト氏。その後首相になり、現在は副首相と国の要職を務められております。
  風力発電の今後
 風力発電の今後については、今年3月までには合弁会社を立ち上げ、事業の本格的な展開が期待できる見通しとなっているとのことでありました。
 具体的には、モンゴルテレビ局UBS放送の社長と川崎先生が知りあいだったしことから協力を得て、 都城ケーブルテレピとも業務提携をおこなっていたこともあり、都城ケープルテレビにも応援を要請し、さらには日本の風力発電機生産会社も全面協力を行い、17年ぶりに、モンゴル国内での生産に目処がつくこととなったとのことでありました。
 3月までには、合弁会社を設立し、早ければ7月までに生産を開始する計画で、遅くとも9月までには、本格的な生産を始める計画であるようです。
  結び
 一つの出会いが、大きな国際交流の芽となり成果が実のろうとしております。いままでの、約 20 年の交流の積み重ねも大変貴重なものでありますが、モンゴルとの交流の進展は素晴らしいものがあります。
 また、自然エネルギーの活用例として、都城高専の取り組みがもっと国内においても評価され、生かされることを期待し、応援していきたいものと思います。

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